八石潭の由来
天安石の特徴
魔鬼岩と倒影池の物語
・天安石の特徴
-天安石は花崗岩の種類の中で最上級に属し、色が黒く、光沢が素晴らしい。特に強度が強いので主に日本に大量に輸出されており、象石や石灯、石碑などを製作するだけでなく、内外装材、階段石など様々に使われており、香炉のような小規模の工芸品の製作にも脚光を浴びている。
・魔鬼岩と倒影池の物語
魔鬼岩(マグィアム)はブオンイバウィ(ミミズク岩)とも言われ、稷山(ジクサン)の南側の峰にあり、西側の峰は玉女峰(オンニョボン)で、東西南北の情景は壮観である。この岩は魔鬼が削って磨いて作ったと伝えられる。稷山の西側約5kmほどに位置するモシ里の南西に仙岩があるが、仙岩は雄で魔鬼岩は雌だそうである。
二つの岩は一定の期間が過ぎると和合して名将を輩出する神の岩だといわれている。その名将は稷山でのみ生まれるのではなく、その精気を全国全域で輩出できるようにどこかの家門に送られるという。仙岩と魔鬼岩の結合時の精気が出た時に一致するある時点に至ると、名将が生まれるようにしてくれるというのである。このようなことは天から降りた一人の仙女がいて、その任務を果たすのだが、天と地を昇り降りしたので西側の峰が玉女峰と呼ばれている。
この魔鬼岩(ミミズク岩)は稷山の向かいに位置しており、目を開きさえすれば見える。ある日、郡守が前を見下ろすと大きな岩が一つなくなって歯が抜けたような形に変わっているのを発見した。ところが郡守の目には不思議なことに岩がなくなった隙間から郡の福と財物が出て行くのが見えた。また、疾病がそこを通って郡に入ってきて、郡内には恐ろしい病気が広がり、人々が病気にかかって死んだりする異変が起きた。
郡守は心配でたまらず、目を開いても閉じても福は出て行き、疾病が入って来るのを見て、魔鬼岩の発動が凄まじいことを感じて天祭を捧げて多方面から禍を防ごうとしたが無駄だった。郡守は部下に災害対策を講じるように命じたがこれも無駄だった。郡守は疲れて倒れたまま歳月を送っていたが、ある日夢に山神が現われ「魔鬼岩の前に池を掘って岩が映るようにすれば禍を免れるだろう」と言って消えた。夢から目覚めた郡守が住民を動員して池を掘って水を満たすと、その岩が逆さまによく映った。それからは禍を免れ、この池が倒影池(ドヨンジ)と呼ばれるようになったという。禍を免れることはできたが、出て行った福はまだ戻って来ていないそうである。魔鬼岩は今でも前歯が抜けたようになっており、財産と福が出て行ったのでその部分を福出門(ボクチュルムン)という。
-1960年代の天安寧城貯水池の工事の時、仙岩を堤防築台用の石に使うために崩したため、今後将軍をどうやって輩出するつもりなのか、魔鬼岩のことを思うと胸が痛むと住民たちが伝説を基に話している。毎年秋夕(チュソク)に豊年を祈願する豊年祭が行われ、祭祀の際には熟した五穀を見下ろすことができる岩石に老弱男女を問わず多くの人々が上ったそうである。
今は行事はなくなって倒影池だけが残っており、農業用貯水池として利用され、釣堀としても客を集めている。また、この魔鬼岩は一年に穀物4千石を浪費する相なので岩の下に池を掘って岩が池に映るようにすると再び金持ちの村になるとされ、村人たちが池を広く深く掘って岩の影が池に映るようにしたことから倒影池と呼ばれているという説もある。