八石潭の由来
高興石の特徴
龍湫と龍岩の物語
・高興石の特徴
高興(コフン)郡に分布する岩石はそのほとんどが花崗岩である。特に高興で生産された石は他の地域で生産された石に比べて青い光を発し、弾力性と強度が高いので安定感があり、建築物の外壁工事、アパートの階段、碑石を作るのに広く使われ、韓国内生産量の5~10%を占めている。1990年代には日本に大量に輸出して外貨を獲得するのに大きな役割を果たしたが、現在は内需用としてのみ供給し、郡内8ヶ所の採石場で今も絶えず生産・供給されている。
・龍湫と龍岩の物語
高興郡の名山である八影山(パリョンサン)から東北に流れる小川が汝自湾(ヨジャマン)に流れ込む地点に、2匹の龍が如意珠を得るために戦ったという龍湫(ヨンチュ)がある。この龍湫は約1,500坪あまりの広い面積で、まるで盆地のようになっているが、青黒い深い川が激しく荒れる度に雨が降ると言われ、そこの人々はそれを見て天気を占ったそうである。この龍湫と龍岩がある所は占岩面の最先端に位置している牛岩里牛岩部落だが、ここを取り囲んでいる海は屈曲が激しいため魚族の棲息が豊富なことで有名で、全羅南道はもちろん、慶尚南道やソウルの多くの釣り人が競って集まっている。
年代は定かではないが、遥か昔、この龍湫に龍2匹が住んでいて、常に争いながら昇天の日を待っていた。その頃に高興寺は柳清臣の子孫の柳時仁という人が龍湫谷のカンチョン村に住んでいたのだが、子供の頃から天性が剛直で、才知に富み、弓の腕は非常に優れていた。
ある日、夢に白髪の老人が現われて「あの龍湫に住んでいる2匹の龍が昇天の時が来たため、互いに先に昇天して如意珠を手に入れようと激しく戦うだろう。そのうちの1匹に矢を放って殺せ。万一、失敗したらこのカンチョン村は生き残れないだろう」と言った。夢から覚めた柳氏はその夢の不思議さを悟り、弓を背負って龍湫付近にある絶壁の岩の隙間に身を隠し、矢を準備して待機している時だった。突然天から耳をつんざくような轟が起こり、海がうねりながら荒れた。龍湫の深い水が一斉に覆って巨大な龍2匹が激しく噛み合って互いに上になったり下になったりしながら恐ろしい戦いは止まることを知らなかった。命を掛けた柳氏は時を逃すまいと全力を尽くして矢を引き、力強く放った。
間もなく水は血の海になり、1匹の龍は龍岩部落の南にある龍岩を踏み台にして悠々と昇天し、数百年が過ぎた今もその龍が岩をよじ登った痕跡が残っている。矢に当たったもう1匹の龍は昇天できなかった怒りを込めて龍湫海岸一帯を大きな尾で打ったので、一瞬にして石の堤防ができたという。その堤防は人の力では到底積み上げられない形状となっている。<br> そして、約120mの高さの龍岩を囲んでいる周囲の岩盤は数万人の人々が座って遊べる平らな所だ。また、龍岩の両サイドはまるで屏風のようになっており、絶壁の右にはろうそくを点けられる二つの燭台岩があり、今でも豊漁を祈願するために漁民たちが祭祀を行なっている所である。
その付近には亀の形の岩があり、また右へ150mの地点にある絶壁には四方50坪あまりの水中龍窟があって、波に打たれると約12㎞離れた地域までもこの龍窟の音が聞こえるそうである。雨の日には風に乗ってびゅうびゅうという龍窟の音が30㎞も離れている役場の所在地までかすかに聞こえるそうである。この龍窟から聞こえる音は数百年間漁民たちの天気予報の役割を果たしてくれたという。